感覚をバグらせろ

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映画「パラサイト」で現実と非現実の区別がつかなくなった話

三連休、はたまたお盆休暇中の皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
私は激動の三連休でした。

なぜか。映画「パラサイト」に心を全てを持っていかれたからです。

 

!!!注!!! 

※まだ本映画を観ていない方は、一度鑑賞されてから下記文章を読んで下さい。
ネタバレありです。

 

 

 

 

 

 

 

とあるシーンでいてもたってもいられなくなりました。

 

母除く家族3人が必死の思いで帰宅。
大雨の為に浸水した半地下。
下水道からは汚水がドバドバ。
汚水が噴き出すトイレに座って姉がタバコを吸っている姿。

 

あり得ないくらい感情が昂りました。
大金持ちの家族に「寄生」しながらも、
悪知恵を働かせて懸命に生きていこうとする貧乏家族。
命からがら帰ってきた家は崩壊。

 

絶望。この言葉が脳裏をよぎりました。
即座にこの映画をストップして、30分くらい半狂乱してました。

 

なぜ報われないのか。
韓国社会の実態とはなんなのか。
この映画が韓国社会を風刺しているのであれば、
このような現実が今まさに起こっているのか。

 

いてもたってもいられず、韓国人の友達に速攻で連絡をとりました。
「パラサイト」で描かれている内容は現実なのか否か。それだけを聞きたかった。

 

結論として、半地下生活を強いられてる人はいる。
しかし、金持ち家族に「寄生」していく部分はあくまでもフィクションだと。
また、友達自身も半地下で暮らしていた時期があったそうです。

 

たった3分間の通話でしたが、とても有意義でした。
(一方的に連絡をとって友達を困らせてしまったけど…ごめんなさい)

 

それから30分くらいスプラトゥーンをやって心の平静を取り戻し、
再び映画を観ました。

そこからは割と淡々に観ることが出来ましたが……

 

最後のシーン。番狂わせ。
息子の発言。
「お父さんを助ける。真面目に働いて、金持ちが住んでいた大豪邸を買う。」

 

2回目の絶望と果てしない虚無感に苛まれました。


一家の裏ボス&戦略家の姉が死んでしまった時点で、
倫理感を無視した巨額の大金を用意することは出来ない。
よって、地道にお金を稼ぐしかない。

 

恐らく金持ちが住んでいた大豪邸は、
事故物件とはいえ相当な価値のある物件だと言えます。
お父さんを救いたい。だから真面目に働く。真面目に働いたお金で大豪邸を買う。

 

この計画、非現実かつ非合理的としか思えません。
だってピザ箱の内職も存分に出来なかったのに。
息子が虚勢を張っているとしか思えませんでした。

 

映画としては良いと思います。でも、何も救われない。結局変わらない。

 

映画「パラサイト」を通じて、この世界は残酷であると、改めて思わされました。