感覚をバグらせろ

書きたいことを書きたいだけ書きます。

“KAWAII”から考える生き方と世界〜YES, KAWAII IS ARTやらFantastic Voyageやら〜

身体は大人、心は子どものカニです。

 

6%DOKIDOKIもとい増田セバスチャンさんの作る世界観好きが高じて、"YES KAWAII IS ART"なる展覧会に足を運びました。

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https://sebastianmasuda.com/works/osaka2021/

 

最初は「お!展覧会あるのか、行こう〜」という非常に軽いノリだったのですが、現地に赴き、作品の節々に触れるたびに「これはKAWAIIを通じて何かを訴えかけられているのではないか?」と感じました。

 

今回の展覧会は3つの会場に分かれており、それぞれ違う作品を観ることが出来ます。

 

その中で一番心に刺さったものが“Fantastic Voyage"です。

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なんでも「隔離された世界で未来を想像する装置」に乗り込み深層心理に訴えかけてくる作品との事…。

 

正直、めちゃくちゃ訴えかけられました。

 

この作品、装置に乗って体感することが出来る体験券と、作品全体を俯瞰出来る鑑賞券に分かれております。

 

どちらのバージョンにも参加し、じっくり味わいましたが、主に体験券で実際に感じた事を書いていこうと思います。

すべて個人的な感想なので悪しからず…。

 

 

まずは乗り込む装置。見た目は繭のような感じ。何故かポケモンのユキハミっぽいな〜とか勝手に思いました。透明で表面がポコポコしている感じです。寝るお布団はふわふわの雲のようでした。かわいい。

中は結構窮屈でびっくり。その圧迫感はむしろ繭になったかのような感覚を増幅し、お腹の中の自分ってこんな感じだったのかな〜生まれる前のサナギってこんな感じなのかな〜とか思いました。

※お写真は鑑賞時に撮ったものです。黒い棒部分には搭乗者さんがうっすら見えます(詳しくは動画で)。

https://youtu.be/My86rN4bckY

体験してる際は見られている事に全く気付きませんでした。没入感すごし。

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いざ作品スタート。暗闇。聞こえてくる不協和音。中々装置は動き出しません。何が始まるのだろうという期待と不安が同居していました。

 

装置が動き始め、作品が見え始めます。その時の率直な感想は「悪夢」でした。天井から垂らされている糸は蜘蛛のようで、時に装置に引っかかりそうになるくらい長いです。装置にテローンと被さった時は触ってないのにヒェェェという気持ちになりました。装置に入っているからこそ良い意味で逃げられません。

音と光もダークなイメージを連想させられました。KAWAIIんですけど、どことなく不気味なんですよ。あってはいけない何かがあるような気がするんです。

色は時と場合によって異なる印象を与えると思うのですが、その時照らされた"赤“は血や狂気の色でした。

 

蜘蛛の糸から少し離れると、沢山のテレビ画面が何かを映しています。ものすごく人工的で無機質な感じ。真っ先に浮かんだのは外界。私以外の何かです。それは世間であったり、噂であったり、SNSであったり…。色んなコトやモノに縛られている自分って何なんだろうって思いました。

 

途中、平和(?)なパートが訪れます。緑や青で包まれます。音楽も若干調が整った感じで、何だか解放された気分になりましたが、どことなく緊張感。

 

そう思ったのも束の間、またダークサイドに落っこちてしまいました。うわー上手くいってる時とそうでない時ってこんな感じでテンションが浮き沈みするんだよな〜とか思いました。

 

そうして作品をグルグルしていると、装置がピタッと止まりました。頭上には大きな繭玉のような物体。その繭玉がパックリ割れており、赤で敷き詰められたものが散りばめられていました。

装置が突然ガガッと動き出します。イキテル…?????ワタシが生きてるのか繭玉が生きてるのかよくわかんなくなりました。

そして急にこの繭玉ちゃんに親近感を覚えました。ものすごく肉質的な何か。パッと思ったのは心臓・脳です。こいつも私も生きてる。お互いがんばってるな。

 

そしてラストスパート。今まで真っ暗だった世界に白い光が宿り、繭玉ちゃんとお別れしながら作品が終わりました。装置に乗っていてずっと不安&緊張の連続だったのですが、繭玉ちゃんとのご対面以降は綺麗なくらいのハッピーエンドでした。(この流れはうまく説明できないので是非体験してもらいたい)

 

さらに驚きだったのが、このハッピーエンドの流れに関しては体験と鑑賞で全く異なる解釈が出来てしまったことです。体験では「新しい」「生まれ変わる」事を肌で感じたのですが、鑑賞してみると「天国」「卒業」みたいなちょっとネガティブな印象が強いんですよね。自分の中の何かがいなくなってしまう感じです。主観と客観でここまで違うのかと、かなりびっくりしました。

 

以上、Fantastic Voyageの体験でした。

 

まだプロトタイプとの事で、これから体験できる装置を沢山増やしていきたいとのことでした。この作品を観る方すべての人に体験してほしい…!ささやかながら応援しております…!

 

他の展示もとても良かったです。Coloful Rebellionもさることながら、増田セバスチャンさんが世界中のKAWAIIカルチャーの方々とリモートセッションしている展示や、色んな方からのKAWAIIの価値観を集めた分厚い単語帳(?)などなど、色んな角度でのKAWAIIを楽しめました。Kawaii allowed me toから始まる言葉が本当に多い。皆KAWAIIに救われている。もっとKAWAIIを楽しもうと思いました。

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P.S. 増田セバスチャンさんより、Fantastic Voyageの作品ネタバレありでブログ書いてもいいよ〜とご許可を頂いております。ありがとうございます…!